シン・トー

読書とか、日常の中で感じたこととか、空想とか

東京の地下鉄

出張で東京に来て、地下鉄に乗りながら、携帯でこの文章を書いている。
地下鉄に乗っていると、不思議な感覚に陥る

地下にある空間の中を、地下鉄という巨大な機械が、高速で移動している。
東京全てを俯瞰して、その中に走っている地下鉄のみを残して、他を全て消してしまったところを想像する。
地下鉄が走っている周りの砂や土、地下鉄が中を走る金属のチューブを半透明にすると、ウヨウヨと走っている地下鉄がビックリするくらいたくさん見えるだろう…
まるで、大量発生したミミズのようにウヨウヨと縦横無尽に気持ち悪く見えるかもしれない。
そんな事を想像する。

もしくは、この地下世界の広大さに想いを馳せる。
常時どれくらいの人がこの地下世界にいるだろう。まるで、都市のようだと思う。
駅という人が滞留する場所と、その場所同士の間は、人が移動するための乗り物が走っている。ほぼ、全ての駅が、何箇所かの駅を乗り継いで移動すればたどり着ける。しかも複雑怪奇に…まるで、脳の中のニューラルネットワークのように…。

地下鉄に乗ったときの少し不思議なこの感覚は、地下の闇の中を走る怖ろしさもある。
地下鉄から地上の鉄道へと接続する場所があるが、地上にあがった瞬間、外の光を浴びて、少し安心する。バイオリズムを取り戻す。
そしてあの、壁から跳ね返ってくる轟音もなくなる。